スパえもんによろしく!

アクセスカウンタ

zoom RSS ちょっと振り向いてみただけの異邦人

<<   作成日時 : 2013/03/27 09:09   >>

驚いた ブログ気持玉 12 / トラックバック 0 / コメント 0

〜前回からの続き


我々が乗ってバルセロナに向かっている飛行機はEASYJETという格安航空会社。
飲み物や食べ物の機内サービスは一切なし。
水やジュースやビールや軽食がほしい人は、アテンダントさんがワゴンを押してくるのでそばに来たときにお金を払って買うのだ。
新幹線の車内販売みたいな感じ。

ただ乗客が快適に過ごすためのサービス、ひざかけやゲロ袋などは無料でくれる。
M子は事情を話して、飲み物用の氷をもらって足首の患部を冷やしておる。

「後ろの客が降りてから最後に降りよう。その足じゃ・・・」
「ええ、そうします」
ケガしてからというもの、M子のテンションはダダ落ちでそうとう気弱になっている。
まあ、しかたないか。


そうこうしているうちに空港に到着。
我々は最後に飛行機を降りる。
例よってM子の荷物は私が持っている。
M子は足を引きずるように空港内の長い通路を一歩一歩進む。
亀の歩みだ。

「どうせ入国審査で並ぶんだから、あわてなくていいよ。」
やさしいことばをかけてはみるが内心
「(これ以上悪化してくれるなよ!)」
というのが本心。

今はとにかくバルセロナの宿にたどりつくのが先決よ。


しばらく歩いた我々の目の前にある物が・・・・ショッピングカート置き場のようなものが見えてきた。
「ん・・もしかして車椅子?!」

「車椅子だ!いっぱいある・・・一個借りちゃおうか、いいよな!」

まわりを見回したがだれもいないので無断拝借することに、背に腹は変えられぬ。


わーラクチン!プロフェッサーXみたい
イラっときた私は、M子の頭を思い切り頭をド突こうかと思ったがここはこらえる。
そらあんたはラクチンだろうよ、押してるのは私だぞ。
とは言うものの車椅子に荷物を乗っけているので、重い荷物をかついで歩くのに比べたら格段にラクチンなのだが。


車椅子ですいすい進んで行くとほどなく入国審査ゲートに。
我々の前には数人が並んでいるだけだ、ほとんど待たずに窓口へ。

窓口のおじさんはすごく愛想がいい人で終始ニコニコしている。
別れ際に「サンキュー」と言うと「ドモ・アリガト」と日本語で返してくれた。
いい人だ。


あとは預けたスーツケースを受け取って・・・タクシーで宿へ、だな。


荷物の受け取り場にも人影ははまばらで、コンベアーの上にも荷物は数えるほどしか回っていない。

我々は自分たちの荷物さがした。

「ないね」
「このラインであってると思うんだけど」

「あそこに2個回ってるけどオレらんじゃないよな」

他の乗客は皆出て行ってしまい、広い場内に残ったのは我々のみ。
ほどなくしてコンベアーは停止。

「遅く来すぎちゃって回収されちゃったのかもな、あそこの係りの人聞いてみよう」

私はひげをたくわえたいかにもスパニッシュな係員にたずねてみたた。
スペインはあまり英語を話せる人がいないと聞いていたので、おそるおそる・・・
画像

「すみませんー、私たちの荷物が見当たらないんですけど」

「荷物がないの、搭乗券見せてくれる?」
「(あ通じた!)はい、これです」

「どれどれ・・・ん??バルセロナ行き・・・、あなたバルセロナにいく予定だったの。」
「ええ、そうですけど」

「えーっと、ここどこだかわかってる?」
「バルセロナ!」

すると係員はおもむろに紙を取り出し、持っていたボールペンでイベリア半島を書き始めた。
「いいかいバルセロナはここだ。そして我々がいるのは、ここ!」

「は?・・・・??」

「ここはポルトガルのファロー空港」
「はい・・??」

「どうやら君たちは来るべき所をまちがえたようだ。ん〜〜〜あそこのセキュリティセンターまできてくれるかい?」


んん・・これは、何かのドッキリですか?!
にわかには信じがたい状況・・・

つまり何ですか、
我々はバルセロナ行きの飛行機ではなくうっかりポルトガル行きに飛行機に乗ってしまったと。
搭乗ゲートの係員がチケットやパスポートを確認していたにもかかわらず。
たしかバーコードでピッとやって「オオケー」言ったのは一体何を見ていたのかと。
さらにほぼ満席の機内でたまたま我々の座る席の列にちょうど人数分の席が空いていたと。

そして何も知らずにポルトガルに入国してしまったと!


なんてこった!
こんなことって現実に起こるものなの?
まるでマンガじゃないか!?



「こんなこと空港に勤めはじめて初めてだよ!」
そうでしょうよ、我々も初めてです。

まったくの想定外の事態。
頭がぜんぜんまわってない私はM子に
「ど・・・どうすんの」
「う、う〜ん。バルセロナに、バルセロナに行けないかどうか聞いてみる・・・」

セキュリティの空港職員さんにはふつうに英語が通じるようだ。英語バンザイ!!


対応してくれた空港職員さんたちは皆ひじょうにやさしくていねいに対応してくれた。
「あなた・・・今日はほんとうにさんざんな一日だったわね」
女性職員の一人がM子から事情を聞いて、本当に同情するように言った。

彼らがやさしく対応してくれたのはもしかすると車椅子に座ったM子のおかげもあったかもしれない。

「君たちの荷物はバルセルナにとどいているそうだよ」
先ほどの地図の職員さんが教えてくれる。

「でも今日のバルセロナ行きの便はもうないのよ」

3、40分ほどたっただろうか、我々が乗ってきたEASYJETとかけあってくれていた職員さんが
「いったんロンドンに戻ってきてほしいそうよ。そして翌日の午前中の便でバルセロナに。
 今晩のホテルや飛行機のチケットは全てむこう持つと言ってるわ
 バルセロナの荷物もロンドンに送り返すって」

う〜ん、本当ならこのままポルトガルから直接バルセロナに行きたかったが、ここは妥協したほうがよさそうだ。
見知らぬ土地でゴネてさらに面倒になるのはゴメンだ。



我々はいったんロンドン、ガドウィック空港にもどることに。

「搭乗口まで案内するからついてきて」
人っ子一人いない空港内を職員さんの後についてやや早足で歩く。
M子は車椅子に乗ったまま別の職員さんに押されていく。
おそらくこれから乗る飛行機が最終便なのだろう、それが容易にわかるほど空港内のいたるところで電気が落ちていて、係員以外の人は一人も見かけない。

本来なら厳重チェックをうける出国審査も軽々通り抜ける。
係員どおしでなにやら話してしたが英語じゃないのでわからなかった。
「めずらしいお客さんがイギリスへおかえりだよ」とでも言っていたのかも。

ポルトガル滞在時間1時間。


すでに満席の機内につくと、乗客の視線がいっせいに我々にむけられた。
こいつらのせいで出発が遅れていたのか!!!
と言わんばかりの視線だ。

「たしかにそのとおり、遅れたのは私らのせいですよ。
 でもそもそもは私らのせいじゃないよ!」


かくして我々はポルトガルを後にし、今日旅立ったばかりのロンドンに再び戻ることになったのだった。



テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 12
驚いた 驚いた 驚いた 驚いた 驚いた 驚いた 驚いた 驚いた 驚いた 驚いた 驚いた 驚いた

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
ちょっと振り向いてみただけの異邦人 スパえもんによろしく!/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる